「AIが進化すると、採用担当者の仕事はなくなるのでしょうか?」
ChatGPTをはじめとする生成AIの台頭により、こうした不安の声を聞くことが増えました。
しかし、結論から申し上げます。
AIによって採用担当者の仕事がなくなることはありません。
むしろ、より人間らしい仕事に集中できるようになります。
採用活動における最大の敵は時間不足です。
メールの返信、日程調整、求人票の作成…こうした膨大な事務作業に追われ、肝心の応募者の悩みを聞く時間や内定者のフォローをする時間が削られてしまっているのが実情ではないでしょうか。
AIは、この事務作業を驚くべきスピードで代行してくれる優秀なアシスタントです。
AIに任せることで生まれた時間を、これまで解説してきた内定者フォロー(【採用】「内定」はスタートライン。「内定辞退」を防ぐ4つのフォロー)やご家族への手紙(【採用】「内定辞退」を防ぐ、家族ブロックへの対処法)といった、人間にしかできない心を動かす業務に充てること。
これこそが、これからの採用担当者の新しい働き方です。
では、具体的にAIはどのような場面で私たちを助けてくれるのでしょうか。
明日から使える3つの活用シーンをご紹介します。
最もAIが得意とするのが、白紙の状態から下書きを作る作業です。
求人原稿のアイデア出し:
「〇〇業の求人キャッチコピーを、ターゲット別に10個考えて」
スカウトメールの文面作成:
「この職務経歴書の人に送る、魅力的なスカウトメールの案を3つ作って」
面接質問の生成:
「協調性を重視したい場合、どんな質問をすればよいか提案して」
これらをゼロから考えると30分かかる作業も、AIなら数秒で完了します。
担当者は、出てきた案を自社らしく修正する(1→10にする)だけで済みます。
採用担当者は孤独です。
社内に相談できる相手がいない場合、AIが良き相談相手になります。
悩み相談:
「内定辞退が続いているんだけど、原因として何が考えられる?」
「面接で緊張している応募者をリラックスさせるにはどうしたらいい?」
客観的な意見:
「この求人票を見て、求職者が不安に感じそうなポイントを指摘して」
AIは感情を持たないため、忖度なしの客観的な視点でアドバイスをくれます。
これが思考の整理に大いに役立ちます。
面接メモの要約:
面接中に取った雑多なメモを貼り付け、「この内容を要約して、評価シートの形式にまとめて」と指示すれば、きれいな報告書が出来上がります。
メールの丁寧化:
箇条書きで伝いたいことを書き、「これを内定者に送る丁寧で温かみのあるメールにして」と頼めば、失礼のない文章に変換してくれます。
採用活動の本質は、人の心を動かし、入社を決意させることです。
この感情に関わる部分は、どれだけAIが進化しても、人間にしかできません。
不安そうな顔をしている応募者に、優しい言葉をかける。
内定者の家族を想い、手紙を書く。
退職交渉で悩む内定者の愚痴を、親身になって聞く。
これらこそが、採用担当者の本来の価値です。
面倒な作業はすべてAIという助手に任せ、あなたは人間にしかできない感情の仕事に全力を注いでください。
そうすれば、採用はもっと楽しく、もっと成果が出るものになると信じています。