「うちの社員は、言われたことしかやらない(指示待ちだ)」
「管理職が育たない。いつまで経っても私が現場を離れられない」
「報告・連絡・相談が遅い。いつもトラブルが起きてから知らされる」
経営者の方から、こうした組織の悩みを聞かない日はありません。
そんな経営者の方に問いかけます。
「社長、その現象を作り出している『原因』にお心当たりはありませんか?」
組織論には、組織はリーダーの影であるという言葉があります。
社員の行動や会社の風土は、経営者の性格や行動習慣が、拡大投影されたものに過ぎません。
本記事では、多くの社長が陥りがちな3つのブーメラン(自分に原因がある課題)と、社長自身の自己変革について深掘りします。
子供が親の口癖を真似するように、社員は社長の言葉ではなく行動(背中)を見て育ちます。
特に、社長が無意識にやっている悪い習慣ほど、組織全体に強力に伝染します。
【ケースA:指示待ち人間が多い組織】
社長の嘆き:
「もっと自分で考えて動いてほしい」
本当の原因:
社長が任せられない病にかかっている。
部下が何か提案しても、「それは違う、こうしろ」と細かく口出ししていませんか?
また、失敗した時に「なんで相談しなかった!」と烈火のごとく怒っていませんか?
自分で考えて動くと(社長と違うことをすると)怒られると学習した社員は、身を守るために思考停止し、指示を待つようになります。
【ケースB:報連相がない組織】
社長の嘆き:
「悪い情報を隠蔽するな」
本当の原因:
社長が報告を受けた時の態度が悪い。
トラブルの報告に来た部下に対して、第一声で「なんだそれは!」「誰がやったんだ!」と感情的に怒鳴っていませんか?
悪い報告をした瞬間に撃ち殺されるなら、誰も報告に来なくなります。
情報は隠されているのではなく、社長が聞く耳を持っていないだけなのです。
会社の売上規模や社員数は、社長の器(許容量)以上には大きくなりません。
これをリーダーシップの蓋(ふた)の法則と呼びます。
創業期は、社長一人のカリスマ性と馬力で引っ張っていけます。
しかし、社員が10人、30人と増える段階で、社長がプレイングマネージャーから経営者(任せる人)へと脱皮できなければ、組織はそこで成長を止めます。
「俺がいないと回らない」と言っている社長。
それは誇るべきことではありません。
「私が成長を止めているボトルネックです」と自己紹介しているのと同じです。
組織の壁にぶつかった時、変えるべきは社員のスキルではなく、社長の時間の使い方と他人への信頼です。
では、どうすれば組織は変わるのでしょうか。
答えはシンプルです。
社長が先に変わることです。
最も効果的なのは、弱さの開示です。
「今まで全部自分で決めようとしていた。それがみんなの自主性を奪っていたと気づいた。申し訳ない。これからは失敗してもいいから、君たちに任せたい」
独裁的だった社長が、頭を下げて方針転換を宣言する。
この衝撃は、どんな高価な研修よりも組織を劇的に変えます。
「社長が本気で変わろうとしているなら、俺たちも頑張ろう」
社員のスイッチが入るのは、その瞬間です。
「他人は変えられないが、自分は変えられる」
使い古された言葉ですが、これこそが組織改善の真理です。
鏡(社員)の中の顔がしかめっ面をしているなら、鏡を拭いても直りません。
鏡の前に立っているあなた自身が、まず笑顔を作る(行動を変える)しかないのだと考えます。