オンライン面接は、もはや特別な選考手法ではなく、中小企業の採用活動において標準的な仕組みの一つとなりました。
私たちは、この仕組みを戦略的に活用することで、採用のミスマッチを防ぎ、定着につながる大きなメリットを引き出せると考えています。
今回は、オンライン面接のメリットと、合う人を見極めるための具体的な4つのコツを解説します。
1. 【最大のメリット】採用エリアの全国への拡大
中小企業にとって最大のメリットは、採用の地図が広がることです。
広域からの応募獲得:横浜の企業が、北海道や私の地元である愛媛の優秀な人材を、物理的な制約なく選考できます。
多様な働き方への対応:フルリモート(在宅ワーク)人材やUターン・Iターン人材の獲得が現実的になります 。
人手不足の解消:特に労働人口が減少している地方企業にとっては、全国から人材を募集できる、極めて強力な仕組みとなります 。
2. 双方の「コスト(時間・労力)」の削減
企業側(面接官)と応募者側、双方の時間的・金銭的コストを大幅に削減できます。
時間効率化: 面接官が会議室を移動・準備する手間や、応募者が移動する時間が不要になります。
応募ハードルの低下: 応募者が半休などを取らずとも面接を受けやすくなるため、「応募してみよう」という心理的ハードルが下がります。
オンライン面接は画面越しの平面でのコミュニケーションであり、対面よりも見極めの難易度が上がります。
この仕組みを成功させるには、以下の4つのコツが必要です。
平面で上半身しか映らないオンラインでは、熱意やおもてなしは対面以上に伝わりにくいものです。
私たちがご支援する、ファン化面接(【採用】「良い人」ではなく「合う人」を見極める。『ファン化面接』とは?)の仕組み(自己開示、不安の解消など)を、普段より1.5倍大げさなリアクション(うなずき、身振り手振り) と、丁寧なアイスブレイク で実行する必要があります。
オンライン面接は、それ自体が適性検査の役割を果たします 。
特に事務職や営業職など、オンラインでの顧客対応が想定される職種 では、ITへの対応能力は重要な見極めの仕組みとなります。
(例1)「背景設定は適切か」
(例2)「カメラの角度や明るさは調整されているか」
(例3)「音声トラブルにスムーズに対処できるか」
オンラインの特性を活かし、具体的なスキルをその場で確認する仕組みも有効です。
(例:事務職の場合)画面共有をしてもらい、リアルタイムでタイピングをしてもらう 、Excelで簡単な表を作成してもらうなど。
回線のフリーズや音声トラブルは、必ず起こるものと仕組みに組み込んでおきます。
企業側が先に、「もし回線が途切れた場合は、こちらの携帯電話からすぐにおかけ直しします」とバックアップ案を提示しておく。
この誠実な準備こそが、応募者の不安を解消し、ファン化面接の信頼を強固にします。
オンライン面接は、企業が採用の地図を広げる強力な仕組みです。
しかし、その見極めとファン化には、対面以上の意図的な仕組みが必要だと考えます。