ここ数日、「求人票のブラック診断」「マニュアルの自動生成」「ユニーク制度」など、生成AI(ChatGPTなど)を使った効率化のノウハウをお伝えしてきました。
これらを実践すれば、あなたの会社の人事・労務・教育にかかる時間は削減され、精度は上がります。
「AIなんて難しそう」と敬遠していた社長も、実際に触ってみてその破壊力に驚かれているのではないでしょうか。
しかし、今日、私が一番お伝えしたいのは、AIの便利さやプロンプトのテクニックではありません。
「AIによって生み出した余白(時間)を、あなたは一体何に使うのか?」という、経営者としての本質的な問いです。
AIの登場により、これまで人間が何時間もかけていた「情報収集」「文章作成」「アイデア出し」「データ分析」といった作業は、数秒で終わるようになりました。
過去のデータに基づいた、最も確率の高い正解を導き出す能力において、人間はもはやAIに勝てません。
しかし、経営において本当に重要なのは、正解を出すことでしょうか?
違います。
正解がない中で「この方針でいくぞ!」と決断し、仮に失敗したとしても、その結果に腹を括ることです。
どれほど精緻な事業計画や採用計画をAIが弾き出そうとも、「よし、それに会社のお金と社員の人生を賭けよう」とハンコを押すのは、AIではありません。
血の通った人間である社長です。
AIは最高の参謀にはなりますが、決してリーダーにはなれません。
責任を背負う覚悟を持たないからです。
これまで、マニュアル作成に奪われていた3時間。
求人票の文面で悩んでいた2時間。
部下へのフィードバック文を考えていた1時間。
AIの活用によって、あなたには新しい時間(余白)が生まれました。
その時間を、もっと別の事務作業に当てたり、早帰りしてゴルフに行ったりしてはいけません。
どうか、その余白を社員と本気で向き合うことに使ってください。
現場に足を運び、パソコンの画面越しではなく、社員の目を見て「最近どうだ?」と声をかける。
一緒にランチに行き、仕事の話だけでなく、彼らの家族や趣味の話を聞く。
会社の未来について、青臭い夢やあなたの個人的な想いを熱く語り合う。
これらは、合理性やタイパ(時間対効果)で考えれば、非効率で無駄な時間に見えるかもしれません。
しかし、人が会社に定着し、「この社長のために頑張ろう」「この会社を大きくしたい」と思う最大の理由は、この泥臭く非効率な人間関係(情緒的価値)の蓄積に他ならないのです。
AI時代が進めば進むほど、作業は均質化(コモディティ化)します。
どの会社も同じような優れたシステムを持ち、洗練された求人票を出し、整ったマニュアルを完備する時代がすぐそこまで来ています。
その時、求職者や社員が最後に会社を選ぶ・残る基準は何になるでしょうか?
条件(機能的価値)での差別化が難しくなった時、最後に残るのは誰と働くかです。
「この社長の熱量が好きだ」
「この人は、私の話を真剣に聞いてくれる」
「不器用だけど、社員を心から愛してくれている」
こうした人間臭さこそが、AIには絶対にコピーできない、あなただけの最強の武器になります。
AIにできる冷たい作業は、全てAIに任せましょう。
そしてあなたは、リーダーにしかできない「愛すること」「信じること」「語ること」という温かい仕事に、今日から全力を注いでください。