「AIが進化したら、採用担当者の仕事はなくなるの?」
ChatGPTなどの生成AIが登場して以来、こんな不安を耳にすることが増えました。
結論から言います。
仕事はなくなりません。
むしろ人間らしい仕事の価値が劇的に上がります。
ただし、使い方を間違えると、あなたの会社の採用活動は誰にも響かない、つまらないものになってしまいます。
本記事では、AIという最強の助手を使いこなしつつ、AIには絶対に真似できない心の部分で勝つための戦略についてお話しします。
AIの最大の落とし穴。
それは、誰でも書けるような、綺麗な文章が出来上がってしまうことです。
例えば、「営業職の求人票を書いて」とAIに頼むと、数秒で素晴らしい文章が返ってきます。
しかし、それは世の中にある情報を平均化しただけの、どこにでもある文章です。
競合他社も同じようにAIを使えば、世の中には同じような金太郎飴のようなスカウトメールや求人票が溢れかえります。
求職者の心を動かすのは、整った文章ではありません。
「うちはこんなに泥臭い会社だけど、ここだけは負けない!」
という社長の体温が乗った言葉(偏り)です。
AIは「0から1(たたき台)」を作るのは得意ですが、「1から100(熱量)」にするのは、生身の人間にしかできません。
AIが出してきた案に、あなたの魂を吹き込む作業。
これだけはサボらないでください。
では、AIは何のために使うのか?
それは、「人間がやるべきではない作業」を秒速で終わらせるためです。
採用担当者は忙しすぎます。
メールの返信作成、日程調整、議事録の要約…。
こうした事務作業に追われ、肝心の応募者の悩み相談や内定者のフォローがおろそかになっていませんか?
【明日から使えるAI活用術】
スカウトメールの作成(たたき台):
「この経歴書の人に送るメール案を3つ考えて」と指示すれば、30分悩んでいた時間が30秒になります。
壁打ち相手(思考の整理):
「最近、内定辞退が多いんだけど、何が原因だと思う? 辛口で指摘して」と相談すれば、社内の人間には言えない客観的な意見をくれます。
面接官トレーニング:
「協調性を重視したい時、どんな質問をすればいい?」と聞けば、プロ顔負けの質問リストが出てきます。
こうして浮いた時間を、すべて「人と向き合う時間」に投資してください。
AIには、不安そうな応募者の背中をさすることはできません。
内定者の親御さんに手紙を書くこともできません。
面倒な作業はAI、心のケアは人間。
この役割分担ができる会社が勝ちます。
これからの時代、綺麗なメールや資料は当たり前になります。
だからこそ、AIにはできない泥臭いアナログの価値が相対的に上がります。
AIが書いた完璧なスカウトメールより、社長が自分の言葉で書いた不器用な手紙。
AIが調整したオンライン面談より、わざわざ足を運んで会いに行くこと。
AIが作ったマニュアルより、先輩が「大丈夫か?」と声をかけること。
便利になればなるほど、人は「手間暇」に愛を感じるようになります。
AIを導入するのは、楽をするためではありません。
「より人間くさい、温かい採用」をする時間を捻出するためなのです。
AIは優秀な事務員ですが、リーダーにはなれません。
最後に決断し、責任を取り、相手の心に火をつけるのは、いつだって人間の仕事です。
テクノロジーを使い倒した上で、最後はアナログな愛で勝負する。
それが、AI時代の最強の採用戦略だと考えます。