「ベテラン社員が、新しいシステムを覚えようとしない」
「高給取りなのに、定型業務しかせず、若手のモチベーションを下げている」
このようなシニア社員の活性化に関することでお悩みの経営者は多いのではないでしょうか。
定年延長や再雇用が進む中、シニア層のパフォーマンス維持は企業の死活問題です。
しかし、彼らが意欲を失ってしまうのは、単に年齢のせいだけではありません。
多くの場合、会社側の役割定義の曖昧さとフィードバック不足が原因です。
本記事では、シニア社員が再び輝き、組織の戦力となるための具体的な人事施策について解説します。
いわゆる働かないおじさん(おばさん)と呼ばれる現象は、心理学的には役割喪失に起因することが多いです。
役職定年などでラインから外れた後、「あなたに期待する役割はこれだ」という明確なミッションを与えられないまま、「あとは適当にやってくれ」と放置されてしまう。
これでは、誰でもモチベーションを維持することは困難です。
① 「役割(ジョブ)」の再定義と合意
「今までの経験を活かして…」という曖昧な指示は禁物です。
「若手のメンターとして週1回の面談を担当する」
「特定の専門業務の品質管理を行う」
など、具体的なタスクと責任範囲を明確にし、本人と合意形成を図りましょう。
② 「過去の功績」と「現在の成果」を切り分ける評価
シニア社員の中には「昔はこれだけ貢献した」という自負を持つ方もいます。
その実績には敬意を表しつつ、評価制度においては「今期、何をしたか」でシビアに評価する仕組みが必要です。
給与に見合った貢献を数値や行動目標で示し、達成できなければ評価(処遇)に反映させる公正さが、本人への健全な刺激となります。
③ リスキリング(学び直し)の機会提供
「ITは苦手だから」という言い訳を許容していませんか?
DX化が進む現代において、ツールの使用は業務の前提条件です。
シニア向けのIT研修を実施するなど、会社として学びの機会を提供した上で、習得を業務命令として課すことも必要です。
シニア社員は、豊富な経験と知識を持つ眠れる資産です。
彼らをお荷物にするか頼れるベテランにするかは、経営者や人事担当者が、彼らに新しい出番と場所を用意できるかにかかっています。