【定着】「ずっと同じ部署」は、社員をダメにする? 戦略的人事異動が、組織の「動脈硬化」を防ぐ理由
【定着】「ずっと同じ部署」は、社員をダメにする? 戦略的人事異動が、組織の「動脈硬化」を防ぐ理由
「彼はこの部署のエースだから、動かせないよ」
「今の業務に慣れているから、異動させると効率が落ちる」
中小企業の現場で、こうした理由で塩漬けにされている人材を見かけます。
一見、効率的な配置に見えますが、長期的な視点で見ると、これは組織にとって静かなるリスクです。
なぜなら、同じ環境、同じ人間関係、同じ業務の繰り返しは、思考の硬直化(マンネリ)を招き、イノベーションや成⻑の芽を摘んでしまうからです。
本人が「自分はこの仕事が向いている」と思っていても、実は別の業務で予想以上の才能を発揮することは多々あります。
ジョブローテーションの最大のメリットは、この適性の再発見にあります。
営業では芽が出なかった社員が、管理部門に移った途端、緻密な実務能力を開花させ、守りの要になる。
逆に、事務職でミスが多かった社員が、営業に出たら水を得た魚のように活躍する。
これらは決して珍しい話ではありません。
異動とは、社員の中に眠る資源を掘り起こすための、最も効果的な探索活動なのです。
特定の社員を特定の部署に固定し続けることは、その人がいなくなったら回らないという時限爆弾を抱え続けることと同じです。
定期的に人を動かすことは、業務の標準化(マニュアル化)を強制的に進める機会になります。
誰がやっても一定の成果が出る仕組みを作るためにも、あえて人を入れ替える勇気が必要です。
もちろん、無意味な異動は現場を混乱させます。
しかし、「この会社では、様々な経験を通じて成長できる」というメッセージを込めた異動は、社員のエンゲージメントを高めます。
異動=左遷・ネガティブという昭和的な価値観を捨て、異動=期待・成長機会という文化を根付かせてみてください。
それが、変化に強い、しなやかな組織を作る第一歩だと考えます。