「今期は利益が厳しいから、研修費を削ろう」
「本なんて、読みたければ自腹で買えばいい」
決算前になると、削減対象になりうるのが「教育費」です。
お気持ちは分かります。
広告費と違って、研修や書籍代は、明日の売上に直結しないように見えるからです。
しかし、断言します。
教育費をコスト(消費)と捉えている限り、御社の組織はジリ貧です。
今日は、なぜ学習しない組織が脆いのか、そして、死に金にならない生きた教育投資のルールについて解説します。
「社員に教育しても、辞められたら損じゃないか」
そう考える経営者様によくお伝えする言葉があります。
「では、教育せずに無知なままの社員が、会社に居座り続けるリスクはどう考えますか?」
知識がない社員が引き起こすトラブル、機会損失、生産性の低下。
これらが積み重なった無知のコストは、書籍代や研修費の何百倍にもなります。
採用定着の観点からも、学べる環境がない(成⻑できない)と感じた優秀な人材ほど、早期に見切りをつけて辞めていきます。
結果として、教育費をケチる会社には、他に行き場のない、学ばない社員だけが残るのです。
これが最大の恐怖です。
とはいえ、ただお金をばら撒けばいいわけではありません。
「行ってこい」と送り出しただけの研修、会社の金で買っただけの積ん読。
これは単なる浪費です。
教育費を投資に変えるためには、リターン(回収)の仕組みが必要です。
当事務所では、以下のルールを推奨しています。
事前申請(目的の明確化): 「なぜその本/研修が必要で、業務にどう活かすか」を宣言させる。
事後報告(共有の義務化): 学んだ内容をレポートや朝礼でチームにシェアする(組織への還元)。
実践評価(行動変容): 学んだことを実践したかどうかを、評価面談で確認する。
「インプット(金銭負担)」と「アウトプット(成果報告)」をセットにすること。
これが、教育費を死に金にしない唯一の方法です。
福利厚生というと、保養所や食事補助を思い浮かべるかもしれません。
しかし、変化の激しい現代において、会社が社員に提供できる最大の福利厚生は、「どこに行っても通用する実力をつけさせてあげること(エンプロイアビリティの向上)」です。
「うちの会社にいると、視座が高まる」
「ここでの経験が、自分のキャリアの資産になる」
そう感じられる環境こそが、優秀な人材を引き留める最強の接着剤となります。
まずは、社長のデスクにあるその本を、社員に「これ読んでみるか?」と渡すところから始めてみませんか?