人事評価における永遠のテーマ、成果(数字)か、プロセス(行動)か。
完全成果主義: 売上を作れば、人格に問題があっても評価される。
→ チームワーク崩壊、顧客の焼き畑農業化、ノウハウの私物化。
プロセス重視: 数字が出なくても「頑張っている」から評価される。
→ ぬるま湯組織化、利益の減少、優秀な人材の離脱。
どちらに振り切っても、組織は腐敗します。
正解はバランスですが、単に足して2で割るという意味ではありません。
成果につながる「正しい行動(バリュー)」を評価するということです。
なぜ、プロセス(バリュー)を評価に入れる必要があるのか。
それは、再現性のない成功を防ぐためです。
例えば、新人の営業マンが、トークスクリプトを無視して強引な売り込みをかけ、たまたま大型契約を取ってきたとします。
成果主義なら「S評価」です。
しかし、これは企業の資産になりません。
来月も同じように売れる保証はなく、むしろクレームのリスクを高めただけです。
これを評価してしまうと、他の社員も「ルールなんて守らなくていい。売ればいいんだ」と勘違いし始めます。
バリュー評価とは、「その成果は、来月も、来年も、他の人がやっても出せるものか?」を問うものです。
プロセス評価を「情意評価(やる気や態度)」と混同しないでください。
「遅刻しない」「元気に挨拶する」といった当たり前の規律は、評価以前の問題です。
ここで言うバリュー(行動指針)とは、「わが社で成果を出すための勝利の方程式」です。
(例)スピード重視の会社なら
バリュー:「即断即決。60点の完成度でまずリリースする」
評価基準:完璧な資料を3日かけて作った人(成果○・バリュー×)よりも、粗くても3時間で提案した人(成果△・バリュー○)を評価する。
このように、会社の戦略に基づいた具体的な行動を評価項目に設定します。
そうすることで、「バリュー通りに行動すれば、自然と成果が出る確率が高まる」という状態を作ることがゴールです。
これから評価制度を入れる中小企業におすすめなのは、「成果評価 50% : バリュー評価 50%」の配分です。
どんなに数字を作っても、バリュー評価が低ければ昇進・昇給は頭打ちになる。
逆に、今は数字が出ていなくても、バリューを体現している社員は「将来のリーダー候補」として守られる。
このメッセージを明確にすることで、「数字も人格も、両方大事にする会社」という文化が定着します。